ある日、私の家の庭に1匹の傷ついた子犬が居着いてしまいました。しっぽは切れそうで、白い毛の間に一杯のノミが見えています。警戒心から逃げてしまうし、どうしたものか、とアルバイト先で話していたら「保護しよう! 募金を使って治療して新しい家族を見つけよう!」と言い出します。
それらはすぐ実行されました。広告を出し、引き取ってくれる新しい家族も見つかり一安心です。この時に必要だったお金は全て募金で賄え、それでも募金できるだけの金額が残っていました。一定金額が集まると盲導犬協会へ募金を繰り返したのですが何度募金したかまでは記憶に残っていません。
やがて盲導犬協会から専用のポスターや募金箱が届き、体制も整って順調だったはずが、お店の閉店が決まります。次の募金の舞台も決まっていません。実は私の母がハンドメイドに精を出していたタイミングでした。片づけて持ち帰ったハンドメイドの素材を欲しいと言った母に全て譲りました。続けようにも場所がないし、捨てるよりはましなのだから、良い選択をしたと考えるようにしました。
やがてハンドメイドからも遠ざかります。
いつの事だったかはっきり覚えていないのですが、お店がヒマになってきた頃なのでハンドメイドをしていた頃と同時期だったかもしれません。オーナーさんがタロットカードを持ってきました。占いが好きだったのです。
この頃は占いに興味があってもタロットカードはあまり知識がありませんでした。オーナーさんが占っているのを見よう見まねでカードを引くようになりました。
アルバイト仲間から「フェイスベールを用意してあげるからテーブルに座って占うといい」と言われたこの頃がタロットカードとの出会いです。
あのタロットカードは閉店の時、オーナーが私にくれました。今そのカードは生徒さんの手元にあるはずです。
続く