自宅の押し入れを整理していた。祖母の時代からの大量の古い写真が出てきて、それも片づけることにした。
その写真の中にHさんの結婚式の写真を見つけた。ふと、しばらくHさんに会ってないなと、写真のHさんの姿を見て思った。
Hさんは母の中学からの親友だ。母の死後、年に数回、母の中学時代からの友人Hさんと食事をする。そのうちの1日は、母の命日に合わせるようにしている。ところが昨年は一度も会えなかった。
このタイミングで、Hさんが久しぶりに家に訪ねてきてくれた。その時、病気をされていた事を知った。近いうちに食事をしようと話してこの日は別れた。
後日、食事の予定を立てようとするのだが、Hさんが案外多忙なのだ。結局、電話した日から2週間後にしかお互いの予定が合わなかった。Hさんとの約束の日が近づいた時、ふと思い出す。「その日は母の月命日だ!」
食事の日、Hさんが「今日はお母さんの命日よね。」と楽しそうに話す姿が印象的だった。おおらかで、人見知りをせず、愛嬌がありどこかそそっかしい所もある。ご主人をなくされたあと、一人暮らしをされているが、色々な所に顔を出し、人と出会いそして、親切にすることを心がけているという。
「今、目の前の一人に親切にする。それはやがて巡り巡り、自分の所に返ってくる。だから、今日は御馳走するからね(笑)」と、冗談交じりに言う。いや、いつも御馳走になる私に気を遣わせないようにしているのかもしれない。
楽しい時間はあっという間に過ぎた。別れ際、Hさんが家にいると寂しい。とつぶやいた。私はHさんの明るさの後ろにある本心をのぞかせてもらった。ひょっとしたらこの日、この時には母も参加していたのかもしれない。そうでなかったとしても、母ならきっとHさんを励まし、次回会う約束をしていたに違いない。母なら何と励ましただろうか。
いや、「またHさんと食事しなさい」と私に言うだろう。