Hさんは母の中学からの友人。母の死後、Hさんと時々会って食事をしたりしていたが、しばらく連絡がない。
心配にもなり、お菓子を持って出かけて来た。
Hさんは代々犬を飼っていて、どの子も名前は同じでMちゃんという。現在のMちゃんは16歳になるおじいちゃん。見るとこんな風にじ~と玄関で立っている。耳も遠いし目も悪く呼んでも聞こえないし、かなり近づかないと見えないらしい。とはいえ匂いは判るらしく、私のにおいを必死にかいで確認をする。前にも会ったことを覚えていてくれたみたいで、軽く尻尾を振るところなんて何とも可愛い。
帰り際、Mちゃんの散歩に付き合うことにした。 するとお母さんにリードを付けてもらったり準備をしている間、何気に私を確認してる。 「一緒に散歩に行くんでしょ? 前も行ったよね」 と言わんばかりで可愛さのあまりつい抱きしめてしまった。
HさんはもしMちゃんがいなくなったら一人暮らしになる。呟いた「Mはおじいちゃんだからねぇ、いついなくなっても、、、、」という言葉には本心は含まれていない。
じつは、Hさんのご主人は急に亡くなられた。ベッドから起き上がったそのタイミングだったらしく、それはショックと悲しみが同時だったのも理解できる。
Mちゃんもあんな風に急に亡くなるなんて嫌だわ、というようなことを言う。さらに次の言葉
「あなた修行したらどう?」
ん? は?
「私が?」
と、応えるのが精いっぱいだった。
聞くと修行をしてくれればご主人が突然亡くなられたのはどうしてか聞けるから、と言うのが理由だという。
ご主人がいないことをMちゃんがどう思っているのだろうか?と聞きたいらしく、やさしくMちゃんをなぜる姿が印象的だった。
時期が来たら、Mちゃんとご主人にその質問をしてみようと思う。
ただ一つ言えるのは、ご主人はMちゃんとHさんをしっかり見ていてくれるってことだと思う。それは確実に。。。。