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趣味の関係で時々お会いする男性の事です。(以下Bさん)
多分60代になられているBさんはいつも陽気で周りを楽しませてくれます。
しかし、少し滑舌が悪いところがあり周りからは
「何を言ってるか判らないよ」
とからかい半分に言われることが多いのです。確かに何を話されているかわかりにくい所はあります。しかし、そんな姿とは別に雰囲気、言葉、そして雰囲気から優しさを感じることが多く、私はこの方を慕っています。

この日は、別の知人Cさんも一緒にテーブルをを囲んでいました。すると、CさんがSNSでBさんが美しい女性に囲まれた写真を掲載していたのを見つけたそうです。それは何故なのか? 周りからからかれ、決してモテるタイプでもない、なのに何故?と思ったというのです。
Cさんは疑問解消のために
「奥さまですか?」
とBさんに聞きました。本当なら失礼な事なのですがBさんは笑顔を崩さず

「妻は7年前にガンで亡くなったんだ。51才だったよ。」
と話し始めました。実はSNSに掲載されていたので私はそのことを知っていました。まさかこのタイミングでお話しされると想像しておらず
「お若いだけに、その当時は大変だったと想像します。」
と言うのが精一杯でした。

「そうなんだ。本当に大変だったんだ。でも3年頑張ったんだよ。」

3年という月日に何か意味があるのか、という疑問を持ったのは私でした。Bさんが答えてくれたのは。。。。

「とにかく生きているのも辛い状況だった。ガンだったし、看取る事だけでも辛かったよ。主治医が『3年頑張れ。辛い経験に間違いないが、3年乗り越えたら必ずその後も頑張れる。まずは3年だ。その間、人に会い、少しでも楽しいことをして、何とかしのぐんだ。』と言われたんだ。
だから、本当に3年間は言われた通り人に合い、出会い、そして、楽しいことをした。ここにいるのもその事がきっかけではじめたんだよ。一時は、自分の命を絶とうとさえ考えた。でも、目印があったんだ。3年て言われたからね。
その時に出会ったのがお店をやっているウクライナの女性でね。随分よくしてくれた。あれから7年たつけど今も仲良くしてもらってるよ。そしたら、戦争が始まったんだ。だから僕はできることがあるなら、と決めた。それが僕が曲を作って歌って、それを販売して寄付をすることなんだ。誰も僕の歌を買わないかもしれないけど、僕にはそれだったらできるからね。」

彼はそう言い、自分で作った戦争反対する牧歌を歌ってくれました。

思いがけず、愛にあふれた歌を聞かせてもらえた夜になりました。

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